生成AIに見積書を作らせて、落胆した経験のある方は多いはずです。文章は書ける。ただし出てくるのは、自社の様式ではありません。
罫線の引き方、社名の位置、金額欄の書式、合計の数式。何年もかけて整えてきた様式を、AIのために捨てるわけにはいきません。だからナレナビは、ゼロから作らせない設計にしています。いま使っている Excel・Word のひな形を登録すれば、体裁はそのままに、宛先や金額や納期といった中身だけが差し替わります。
A社向けの見積書を作って。装置Aを2台、単価180万、据付調整24万、納期は8月末で。
見積書を作成しました。テンプレートの体裁はそのままに、宛先・明細・金額・納期を差し込んでいます。
見積書_A社_装置A.xlsx必要な項目が足りなければ、AIが聞き返します。「宛先は?」「納期は?」——会話でそろえば、そのまま書類になります。
何が「そのまま」なのか
{{customer_name}} | 品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
{{item__name}} | {{item__qty}} | {{item__unit_price}} | {{item__amount}} |
| 行は、データの件数に合わせて増減します | |||
| 合計(税抜) | =SUM(D8:D12) | ||
納期:{{note}} | 品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
| 装置A | 2 | 1,800,000 | 3,600,000 |
| 据付・調整 | 1 | 240,000 | 240,000 |
| 合計(税抜) | 3,840,000 | ||
体裁そのまま差し込み
見積書・請求書・発注書・納品書など、様式が決まっている帳票はこちら。元ファイルを保持したまま中身だけ入れ替えます。
デザインテーマを引き継ぐ
スライドは考え方が違います。資料から配色・見出し・構成のテーマを取り出して、AIがそのテーマに沿った新しいスライドを組み立てます。
スライドだけ扱いが違うのは、守りたいものが違うからです。請求書で守りたいのは一字一句の様式。提案書で守りたいのはトーンとデザインで、中身の構成は案件ごとに変わります。
登録する:ファイルを渡すだけ
アップロードしたExcel・Wordの体裁をそのまま使い、宛先・金額・日付などの差し込み箇所をAIが自動で見つけます。元の見た目を崩さず帳票を量産したいときに最適です。
PDFや画像から、レイアウトを再現した編集できるテンプレートをAIが作成します。元ファイルが無い/体裁を作り直したいときに。
スライド資料から、再利用できるデザインテーマとガイドをAIが作成します。
Excel・Word は「元の体裁をそのまま使う」一択です。罫線も、社印の位置も、数式も、列幅も、あなたが作ったままの様式が残ります。
ひな形のファイルをアップロードする Word / Excel / PowerPoint / PDF / 画像
ふだん使っている見積書や請求書を、そのまま渡すだけ。PDFや紙をスキャンした画像しか残っていない場合も、レイアウトを再現できます。
AIが差し込み箇所を見つける {{ }} を自分で書く必要はありません
「ここが宛先」「ここが合計金額」「ここが明細の行」——AIがファイルを読んで印を付けます。拾えなかった項目は、後から手で足せます。
項目を整える ラベル・種別・必須
項目名を業務の言葉に直し、種別と必須かどうかを決めます。足りない項目は、AIに探させることもできます。
{{customer_name}} 宛先 テキスト 必須 {{issue_date}} 発行日 日付(2026/01/31) 必須 {{quote_no}} 見積番号 テキスト {{total}} 合計金額 金額(¥1,000) 必須 {{note}} 備考 文章(長文) {{item__name}} 品名 {{item__qty}} 数量 {{item__unit_price}} 単価 {{item__amount}} 金額 書類を作成するときに、データの件数へ合わせて行が自動で増減します。ここでは列(品名・数量・単価など)の定義だけを行います。
差し込み箇所(マーカー)は、取り込みのときにAIが自動で見つけて入れます。{{ }} を自分で書く必要はありません。過不足があれば、この画面で足したり直したりできます。
明細のように行数が決まらない表も扱えます。列(品名・数量・単価・金額)だけ定義しておけば、行は件数に合わせて自動で増減します。ひな形の見本が3行でも、10行の明細が入ります。
使う:会話で伝えるだけ
登録が済んだら、あとはチャットです。ツールから「ファイル生成」でひな形を選び、いつもどおり日本語で伝えます。
A社向けの見積書を作って。装置Aを2台、単価180万、据付調整24万、納期は8月末で。
必要な項目がそろっていなければ、AIが聞き返します。そろえば、その場でファイルが出てきます。Excel は Excel のままダウンロードできるので、そのあと手直しするのも自由です。
配る:組織の様式として固定する
ここが、個人のテンプレートと決定的に違うところです。作ったひな形は組織に公開でき、公開すれば全員が同じ様式で書類を出せます。
自社様式の見積書。宛先・明細・金額・納期を差し込みます。
経理承認済みの請求書フォーマット。振込先・締日は固定。
購買部の標準フォーム。品目・数量・希望納期を差し込みます。
コーポレートのデザインテーマ。表紙・見出し・配色を再利用します。
登録したひな形は、個人のまま使うことも、組織に公開して全員が使える様式にすることもできます。「請求書はこの様式で」を、組織のルールとして固定できます。
自分だけが使う
試作中のひな形や、自分の担当先向けの様式。まずは個人で試せます。
相手を選んで渡す
ユーザー・グループ単位で、編集者または閲覧者として共有できます。
全員の“標準様式”にする
経理が承認した請求書様式を組織に公開すれば、誰が作っても様式は同じになります。
「請求書の様式が人によって違う」「古いひな形が使い回されている」。原因は、様式が個人のPCに散らばっていることです。1か所に集めれば、最新の正しい様式が、探さなくても手元に出てきます。
様式はそのまま、中身の入力だけAIに任せられます。
様式を作るのは人間の仕事。そこへ中身を入れるのは、AIの仕事です。
押さえておきたいこと
- 対応形式は Word(.docx)・Excel(.xlsx)・PowerPoint(.pptx)・PDF・画像。出力は元の形式のほか、PDFも選べます。
- Word の特殊な差し込み機能(MERGEFIELD・コンテンツコントロール)は対象外です。通常の文書として作られたひな形をお使いください。
- 帳票向けの機能のため、極端に大きな Excel(数万行・数十シート)は取り込めないことがあります。
どんな業務から始めるか
| 部署 | ひな形 | AIに任せる部分 |
|---|---|---|
| 営業 | 見積書 | 宛先・明細・金額・納期の差し込み |
| 経理・購買 | 請求書・発注書 | 取引先・品目・支払条件の差し込み |
| 品質・製造 | 検査成績書・作業指示書 | 測定値・工程・担当の差し込み |
| 広報・営業企画 | 会社紹介スライド | デザインテーマを引き継いだ資料の組み立て |
まずは、いちばん枚数が多い書類から。1枚あたり10分かかっていた書類が月に100枚あるなら、そこが最初の一歩です。
次に読むなら:AIエージェント
「見積を作る担当AI」を用意し、おすすめテンプレートを紐づけておけば、選ぶ手間もなくなります。